大切なレコードをホコリや傷から守り、美しく保管するために欠かせないレコードケース。しかし、いざ探してみると多種多様な製品があり、どれを選べば良いか悩んでしまいますよね。この記事では、レコード ケースの失敗しない選び方を徹底解説します。一言でケースと言っても、サイズは7インチか12インチか、木製やプラスチックなど素材の特徴、100枚以上の収納か1枚ずつ保管かといった基本的な選び方から、おしゃれに飾るインテリア性の高さを求めるのか、持ち運びに便利なハードタイプのキャリーが必要なのかで、選ぶべきものは大きく変わります。さらに、人気ブランド別おすすめレコード ケースとして、無印・ニトリ・IKEAの家具調ケースから、100均で買える透明なアクリル製品、Amazonで見つかる多種多様なケース、そしてDisk Unionなど専門店モデルまで幅広くご紹介。中には大切な盤を守るUVカット機能付きの高性能なものもあります。この記事を最後まで読めば、きっとあなたに最適なレコード ケースを見つけようという気持ちに応えられます。
- レコードケースの基本的な選び方がわかる
- 素材や収納枚数に応じた特徴を比較できる
- 無印やニトリなど人気店の製品がわかる
- インテリアや持ち運びなど用途別の製品が見つかる
レコード ケースの失敗しない選び方
- サイズは7インチか12インチか
- 木製やプラスチックなど素材の特徴
- 100枚以上の収納か1枚ずつ保管か
- おしゃれに飾るインテリア性の高さ
- 持ち運びに便利なハードタイプのキャリー
サイズは7インチか12インチか
レコードケース選びの第一歩であり、最も重要なポイントは、収納したいレコードのサイズにケースが合っているかを確認することです。基本的には「12インチ」と「7インチ」の2種類を覚えておけば問題ありませんが、コレクションによっては他のサイズも考慮する必要があります。
現在主流となっているのは、直径が約30cmの12インチ(LP盤)と、直径が約17cmの7インチ(EP盤、シングル盤)です。アルバム作品のほとんどは12インチ、シングル曲は7インチでリリースされるのが一般的です。まずは、ご自身のコレクションがどちらのサイズを中心に構成されているかを確認し、それに適したケースを選びましょう。多くのLP盤用ケースは、1950年代の作品に時折見られる10インチ盤も一緒に収納できることが多いです。
また、ジャケットの厚みも考慮に入れると、より失敗のないケース選びができます。見開き仕様の「ゲートフォールドジャケット」や、重量盤と呼ばれる厚みのあるレコードは、通常のレコードよりも場所を取ります。そのため、公称の収納枚数よりも少なくなる可能性を念頭に置いておくと安心です。
レコードサイズ | 通称 | 主な用途 | 特徴・注意点 |
---|---|---|---|
12インチ | LP盤, アルバム | アルバム作品 | 直径約30cm。最も一般的なサイズ。ケース選びの基本となる。 |
10インチ | – | SP盤, 一部のLP盤 | 直径約25cm。LP用ケースに収納可能な場合が多い。 |
7インチ | EP盤, シングル盤, ドーナツ盤 | シングル曲 | 直径約17cm。専用のケースか、仕切り付きのケースが必要。 |
「内寸」の確認は絶対条件
特に海外製品や汎用の収納ボックスの場合、外寸は十分でも内寸がギリギリでレコードが入らない、またはジャケットの角が擦れてしまうことがあります。LP盤のジャケットは約31.5cm四方なので、内寸で最低でも32cm以上、できれば33cm程度の余裕があるとスムーズに出し入れができます。購入前には必ず「内寸」がレコードサイズに対して十分な余裕を持っているかを確認する習慣をつけましょう。
木製やプラスチックなど素材の特徴
レコードケースの素材は、デザイン性やインテリアとしての役割だけでなく、レコードを保護するという観点からも非常に重要です。耐久性、重量、価格、そしてレコードへの影響などを総合的に比較し、最適な素材を選びましょう。
素材 | デザイン性 | 耐久性 | 重量 | 価格 | 特長・注意点 |
---|---|---|---|---|---|
木製 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★☆☆☆☆ (重い) | ★★☆☆☆ (高価) | インテリア性が高い。湿度の影響に注意。 |
プラスチック製 | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ (軽い) | ★★★★☆ (安価) | 軽量で扱いやすい。静電気でホコリが付着しやすい。 |
アルミ製 | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ (やや重い) | ★★☆☆☆ (高価) | 保護性能が最も高い。運搬用途に最適。 |
紙・段ボール製 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ (最軽量) | ★★★★★ (最安価) | 安価で手軽。長期保管や湿気に弱い。 |
木製
温かみのある風合いと高級感が最大の魅力である木製ケースは、インテリアとの親和性が非常に高いです。特にパイン材やオーク材を使用したものは、リビングや書斎に置くだけで上質な空間を演出します。中には、防湿・防虫効果が高いとされる桐を使用した高級なレコード専用ボックスもあります。一方で、他の素材に比べて重量があり、価格も高価になる傾向が否めません。また、湿度の変化によって伸縮する可能性があるため、直射日光が当たる場所やエアコンの風が直接当たる場所での使用は避けた方が賢明です。
プラスチック製
軽量で扱いやすく、比較的リーズナブルな価格帯の製品が多いのがプラスチック製の強みです。ポリプロピレン(PP)製の半透明なボックスは中身が確認しやすく、アクリル製の透明なケースはジャケットを美しく見せることができます。ただし、製品によっては安っぽく見えてしまうことや、静電気でホコリを引き寄せやすいというデメリットも。ホコリはレコードの大敵ですので、蓋付きのケースを選ぶなどの対策が推奨されます。
アルミ製
DJなどがレコードの持ち運びに使用するハードケースによく見られるのがアルミ製です。非常に頑丈で耐久性が高く、外部からの衝撃をしっかりと防ぎます。ケース内部には通常、レコードを保護するためのクッション材が貼られており、輸送中の振動からも盤を守ります。その堅牢さから、大切なレコードを安全に輸送・保管したい場合には最適ですが、デザインは無骨なものが多く、インテリアとしての好みは分かれるかもしれません。
紙・段ボール製
最も手軽で安価な選択肢が紙や段ボール製のボックスです。レコードショップで商品発送用に使われることも多く、簡易的な保管や整理、引っ越しの際の運搬に向いています。しかし、耐久性や耐湿性は他の素材に著しく劣ります。長期間保管していると、湿気で箱が歪み、大切なレコードにまで影響を及ぼす危険性があるため、あくまで一時的な使用に留めるのが良いでしょう。
素材選びは、まさに機能性とデザイン性のバランスですね。お部屋の雰囲気に合わせたいなら木製、コスパと実用性ならプラスチック製、絶対的な保護を求めるならアルミ製、といったように目的を明確にすると選びやすくなりますよ。
100枚以上の収納か1枚ずつ保管か

レコードの世界:イメージ
レコードケースを選ぶ際には、「どのように保管したいか」という具体的なビジョンを持つことが重要です。大量のコレクションを効率的に整理したいのか、それともアートとして一枚を飾りたいのかで、選ぶべきケースの形状は全く異なります。
大量保管には「ボックス・ラックタイプ」
コレクションの枚数が50枚、100枚と増えてきた方には、まとめて収納できるコンテナタイプのボックスや、専用のラックがおすすめです。ここで絶対に守るべきは、レコードを「垂直に立てて保管する」ことです。レコードを平積みすると、その自重で盤が歪んでしまう「盤反り」の直接的な原因になります。また、壁に斜めに立てかけるのもNGです。常に地面に対して垂直になるよう、ボックスや仕切りを使って支えるように保管しましょう。
「背表紙」を見せる収納を
大量のレコードを収納する際は、ジャケットの「背表紙」が見えるように並べるのが基本です。これにより、本棚から本を探すように、目的のレコードを素早く見つけることができます。収納ボックスを選ぶ際も、この背表紙が見やすい設計になっているかを確認すると良いでしょう。
ディスプレイ保管には「フレーム・スタンドタイプ」
お気に入りのジャケットをインテリアとして飾りたい場合は、1枚ずつ収納するディスプレイタイプのケースやフレームが最適です。壁に掛けて絵画のように楽しむ「壁掛けフレーム」や、棚の上に気軽に置ける「ディスプレイスタンド」などがあります。また、レコードショップのようにジャケットの表紙を見せて陳列できる「面陳(めんちん)ラック」も人気です。リスニング空間を豊かにするだけでなく、自分のアイデンティティを表現する手段にもなります。
おしゃれに飾るインテリア性の高さ

レコードの世界:イメージ
レコードはその音楽的価値だけでなく、時にコンセプチュアルで、時に芸術的なジャケットデザインも大きな魅力の一つです。そのため、レコードケースを単なる収納道具としてではなく、お部屋をセンスアップさせるインテリアアイテムとして活用する方が増えています。
例えば、ナチュラルな雰囲気の北欧風インテリアには、明るい色の木材(パイン材など)を使用したシンプルなデザインのラックがよく合います。一方で、無骨なコンクリートやスチールが特徴のインダストリアルな空間には、黒いスチール製のラックや、あえてアルミ製のハードケースを無造作に置くのも格好良いでしょう。
中身が見えるアクリル製のクリアケースは、モダンでミニマルな部屋に最適です。ジャケットの色彩がアクセントとなり、空間に彩りを加えます。さらに、間接照明やスポットライトを当てることで、ジャケットのアート性をより一層引き立て、ギャラリーのような雰囲気を演出することも可能です。
オーディオ機器との統一感を
レコードプレーヤーやスピーカー、アンプといったオーディオ機器とレコードケースの素材感や色調を合わせると、リスニングスペース全体に統一感が生まれます。例えば、ウッドキャビネットのプレーヤーを使用しているなら、同じ系統の色の木製ラックを選ぶと、まとまりのある美しい空間になります。
持ち運びに便利なハードタイプのキャリー

レコードの世界:イメージ
DJイベントや友人の家でのリスニングパーティーなど、レコードを屋外に持ち出す機会がある方にとっては、可搬性と保護性能を両立したキャリータイプのレコードケースが必須アイテムとなります。
持ち運び用ケースで最も重要なのは、外部からの衝撃、振動、そして天候の変化からレコードを確実に守る堅牢性です。コーナーが金属で補強されたアルミ製のハードケースや、防水性に優れた素材を使用したモデルが一般的です。レコードがケースの中でガタつかないよう、高密度なクッション材でしっかりとホールドされる構造になっているかを確認しましょう。また、不意にケースが開いてしまうのを防ぐためのロック(鍵)機能が付いていると、より安心して運搬できます。
LPレコード1枚の重さは平均120g〜180g程度ですが、高音質を謳う「重量盤」では200gを超えるものもあります。仮に1枚200gとして計算すると、50枚で約10kg、80枚にもなれば16kgにも達します。これにケース自体の重さが加わるため、かなりの重量になります。そのため、グリップが握りやすいハンドルや、肩への負担を軽減するパッド付きのショルダーストラップが付属しているかは、非常に重要なチェックポイントです。
ソフトケースという選択肢も
絶対的な保護性能ではハードケースに劣りますが、ナイロン素材などで作られた「ソフトケース」や「レコードバッグ」も人気があります。ハードケースに比べて大幅に軽量で、使わないときはコンパクトに収納できるのがメリットです。数枚から20枚程度のレコードを気軽に持ち運びたい、といった用途であれば、ソフトケースの方が取り回しが良く便利でしょう。
人気ブランド別おすすめレコード ケース

レコードの世界:イメージ
- 無印・ニトリ・IKEAの家具調ケース
- 100均で買える透明なアクリル製品
- Amazonで見つかる多種多様なケース
- Disk Unionなど専門店モデル
- 大切な盤を守るUVカット機能付き
無印・ニトリ・IKEAの家具調ケース

レコードの世界:イメージ
「レコード専用」として販売されていなくても、人気インテリアショップの定番収納用品の中には、驚くほどレコードの保管に最適なものが数多く存在します。最大の魅力は、他の家具と合わせて部屋全体のコーディネートがしやすい点です。
IKEA(イケア)
レコード愛好家の間で「デファクトスタンダード(事実上の標準)」とまで言われているのが、IKEAの「KALLAX(カラックス)」シェルフシリーズです。一つのマス(内寸約33.5cm四方)がLP盤のジャケットに吸い込まれるようにぴったり収まるサイズ設計になっており、大量のレコードを機能的かつ美しく収納できます。扉や引き出し、ボックスといった豊富なインサートを追加して自由にカスタマイズできるのも魅力で、レコードだけでなく本や雑貨も一緒に整理したい場合に非常に便利です。
無印良品
シンプルで飽きのこないデザインが魅力の無印良品では、「スタッキングシェルフ」がLP盤の収納に適しています。基本セットにパーツを追加していくことで、部屋の広さやコレクションの量に合わせて自由に拡張できるモジュール性が最大の特長です。詳しくは無印良品の公式サイトでも確認できますが、オーク材やウォールナット材といった素材の選択肢もあり、本格的な家具として長く愛用できる品質を備えています。
ニトリ
ニトリの「カラーボックス Nクリック」シリーズも、LP盤の収納に活用できます。特に「ディープ」と呼ばれる奥行きの深いモデルは、LP盤を収納しても手前に飛び出すことなく、すっきりと収まります。ネジを使わずに組み立てられる手軽さも人気の理由です。ただし、カラーボックスはモデルチェンジによってサイズが変更される可能性があるため、購入前には必ず店舗で実物を確認するか、公式サイトで内寸をチェックすることが重要です。
棚板の「耐荷重」は必ず確認!
これらの家具をレコード収納に使う場合、絶対に無視できないのが棚板一枚あたりの「耐荷重」です。前述の通り、レコードは50枚で10kgを超えることもある非常に重いメディアです。耐荷重が10kgの棚にレコードをぎっしり詰め込むと、棚板が徐々に歪み、最悪の場合は破損して落下する危険があります。必ず商品のスペックを確認し、余裕を持った収納を心がけてください。
100均で買える透明なアクリル製品
「まずは手軽に整理を始めたい」「お気に入りの数枚だけ飾りたい」といったニーズに、低コストで応えてくれるのが100円ショップ(ダイソー、セリア、キャンドゥなど)で販売されている収納グッズです。アイデア次第でレコード収納に活用できるアイテムが眠っています。
特に注目したいのが、アクリル製のディスプレイスタンドやファイルボックスです。これらは7インチ盤の収納やディスプレイに最適なサイズ感のものが多く見つかります。「推し活」グッズとして販売されているアクリルスタンドが、7インチ盤を飾るのにぴったり、ということも。透明度が高いため、ジャケットのデザインを損なうことなく飾ることができます。
LP盤に関しては、ぴったり収まるボックスを見つけるのは難しいですが、木製の「ディッシュスタンド(皿立て)」が意外なほどLP盤のディスプレイにフィットすることがあります。数枚のレコードを立てかけておくのに便利で、ナチュラルな雰囲気を演出できます。
100円ショップの商品は、あくまで汎用品であり、レコード専用に設計されたものではありません。そのため、耐久性や強度は専門のケースには劣ります。また、商品の入れ替わりが激しく、同じものが手に入らなくなってしまう可能性も考慮しておきましょう。本格的な長期保管ではなく、あくまで簡易的な整理やディスプレイ用途として活用するのが賢明です。
Amazonで見つかる多種多様なケース

レコードの世界:イメージ
圧倒的な品揃えと選択肢の多さ、そして自宅にいながら世界中の製品を比較できる利便性を求めるなら、Amazonをはじめとするオンライン通販サイトが最適です。
安価な段ボール製ボックスから、プロユースのDJ向けハードケース、デザイン性の高い木製ラックまで、実店舗では考えられないほどの幅広い製品群から、予算や用途に応じて最適な一品を探し出せます。キーワード検索だけでなく、「レコード収納」などの関連キーワードで探すことで、思わぬ掘り出し物が見つかることもあります。
オンライン通販の最大のメリットの一つが、実際に商品を購入したユーザーによるレビューを参考にできる点です。しかし、中には信頼性に欠けるレビューも存在するため、情報の取捨選択が必要です。
信頼できるレビューの見極め方
- 具体的な使用感が書かれているか(「良い」だけでなく「〇〇枚収納できた」「作りがしっかりしている」など)
- 写真付きのレビューは非常に参考になる
- 肯定的な意見だけでなく、否定的な意見もチェックし、その内容が自分にとって許容できるものか判断する
- あまりにも不自然な日本語のレビューは避ける
これらの点を意識してレビューを読み解くことで、オンラインでの購入の失敗を大幅に減らすことができます。
Disk Unionなど専門店モデル
日本レコード協会の統計によると、2023年のアナログディスク生産枚数は近年最高を記録するなど、レコード市場は活況を呈しています。これに伴い、レコードを大切に保管するための高品質なケースの需要も高まっています。レコードの扱いに精通した専門店が企画・販売するオリジナルケースは、長年の経験とユーザーの声が反映された、まさに「かゆい所に手が届く」製品が多いのが特徴です。
例えば、大手レコードショップの「Disk Union(ディスクユニオン)」では、レコードの収納に特化したオリジナルの段ボールボックスを長年販売しています。LP用、7インチ用などサイズ展開が豊富で、組み立てやすく、複数個をきれいに積み重ねられる(スタッキング)ように設計されているなど、ユーザー目線の工夫が随所に見られます。こういった製品は、レコードのサイズに完璧に最適化されているため、「買ってみたけどサイズが合わなかった」という根本的な失敗がありません。
また、UDGやオデッセイ(Odyssey)といったDJ機材専門ブランドが手掛けるレコードバッグやケースは、世界中のプロDJの過酷なツアー環境での使用を想定して作られています。そのため、耐久性の高い素材の採用、人間工学に基づいた持ち運びやすい設計、機材を素早く出し入れできる機能性など、信頼性において他の追随を許しません。頻繁にレコードを持ち運ぶ方であれば、初期投資は高くとも、結果的に長く使える専門ブランドの製品を選ぶのが賢明な判断と言えるでしょう。
専門店モデルは、一見するとただの箱やバッグに見えても、レコードの重さや取り扱い方を熟知した上で設計されています。大切なコレクションを守るための「保険」と考えると、その価格にも納得がいくのではないでしょうか。
大切な盤を守るUVカット機能付き
レコードのジャケットは、それ自体がひとつのアート作品ですが、その多くは紙に印刷されています。そのため、直射日光や室内の蛍光灯の光に含まれる紫外線に長時間さらされると、インクが化学変化を起こし、色褪せや変色を招いてしまいます。これは「ジャケ焼け」と呼ばれ、一度焼けてしまうと、残念ながら元に戻すことはできません。
この紫外線によるダメージを防ぐために開発されたのが、UVカット機能付きのレコードケースやディスプレイフレームです。これらの製品には、紫外線を大幅にカットする特殊な加工が施されたアクリル板が使用されています。製品によっては「紫外線97%カット」など具体的な数値が記載されているものもあり、より高い保護性能を求める際の参考になります。お気に入りのレア盤やアーティストのサインが入ったレコードなど、資産価値のある一枚を飾りたい場合には、必須とも言える機能です。
また、紫外線やそれによって発生する熱は、ジャケットだけでなくレコード盤自体にも悪影響を及ぼします。高温は盤反りの原因となり、再生に支障をきたすことがあります。UVカット機能付きのケースは、ジャケットのアート性を守るだけでなく、レコード盤本体を長期間にわたって良好なコンディションで保存するためにも極めて有効な手段なのです。
保管場所の基本を忘れずに
UVカット機能は非常に有効ですが、万能ではありません。ケースの機能に過信せず、レコード保管の基本である「高温・多湿・直射日光を避ける」を常に心がけましょう。具体的には、直射日光が差し込む窓際、湿気がこもりやすい部屋の隅や押し入れの奥、エアコンや暖房器具の風が直接当たる場所などは避けるべきです。適切な環境と適切なケース、その両方が揃って初めて、大切なレコードを末永く楽しむことができます。
あなたに最適なレコード ケースを見つけよう

レコードの世界:イメージ
この記事では、レコードケースの選び方の基本から、素材や用途別の特徴、さらには人気ブランドや専門店のおすすめ製品まで、網羅的に解説してきました。多種多様な選択肢がありますが、最も大切なのは「ご自身のレコードコレクションとどう付き合っていきたいか」を考えることです。最後に、今回の重要なポイントをリスト形式でまとめます。このリストをチェックリストとして活用し、あなたにとって最高のレコードケースを見つけるための参考にしてください。
- レコードケース選びはまずサイズの確認から始める
- 主流は12インチ(LP盤)と7インチ(EP盤)の2種類
- ケース選びでは外寸だけでなく必ず内寸を確認する
- 見開きジャケットなど厚みも考慮して余裕を持つ
- インテリア性を重視するなら温かみのある木製ケースがおすすめ
- 木製は重く高価で湿度の影響を受けやすい点に注意
- 持ち運びの頻度が高いならアルミ製の頑丈なハードケースを選ぶ
- 手軽な整理や引っ越しには紙や段ボール製も一時的に活用できる
- レコードは必ず地面に対して垂直に立てて保管する
- IKEAのカラックスは多くのコレクターに愛用される定番シェルフ
- 無印良品やニトリの収納家具も内寸を確認すれば活用可能
- 家具に収納する際は棚板一枚あたりの耐荷重を必ずチェックする
- 100均のアクリル製品や皿立てはディスプレイ用途に使える
- Amazonなど通販サイトではレビューを精査して慎重に選ぶ
- Disk Unionなど専門店のオリジナル製品はサイズ設計に安心感がある
- プロのDJも愛用する専門ブランドは究極の保護性能を誇る
- ジャケットの色褪せを防ぐUVカット機能付きケースも存在する
- 保管場所は高温・多湿・直射日光を避けるのが大原則
- コレクションの量と愛情に合ったケースを選びレコードライフを楽しむ
* コストパフォーマンスと軽さを求めるならプラスチック製が最適