ご自宅に眠っている古いレコードの処分にお困りではありませんか。正しいレコードのゴミの分別と処分方法を知らないと、収集してもらえない可能性もあります。この記事では、まず基本となるレコード盤の分類、つまり可燃か不燃かの見分け方から解説します。さらに、意外と知らないLPの溝や針、プレーヤーの出し方、そして燃えるごみと燃えないごみの具体的な分別ルールにも触れていきます。ジャケットはプラごみになるのか、その取り出し方に注意すべき点や、大量のレコードが粗大ごみになるのかといった疑問にもお答えします。加えて、自治体別のゴミのルールは非常に重要です。東京23区(世田谷区・杉並区・大田区など)の実情や、横浜市・川崎市など関東の市の処分方法、さらには大阪市・神戸市・名古屋市・福岡市の例、札幌・広島・岡山市の取り扱いまで、具体的な地域を挙げて比較します。また、レコード大賞の記念盤や人気のゲーム盤(マギア、ブロスタ)といった少し特殊なレコードの扱いについても触れ、一人の人間として知っておくべき正しいゴミの処分知識を網羅的にお届けします。
- レコードの各パーツ(盤、ジャケット、針)の正しい分別方法がわかる
- 大量のレコードを処分する際の注意点がわかる
- 主要な自治体ごとのゴミ出しルールの違いがわかる
- 売却という処分以外の選択肢についても知ることができる
正しいレコード ゴミの分別と処分方法
- レコード盤の分類、可燃か不燃かの見分け
- lpの溝、針、プレーヤーの出し方
- 燃えるごみと燃えないごみの分別
- ジャケットはプラごみ?取り出し方に注意
- 大量のレコードは粗大ごみになる?
レコード盤の分類、可燃か不燃かの見分け

レコードの世界:イメージ
まず、レコード処分の核心である「レコード盤」そのものの分別から見ていきましょう。ここを間違えると、全ての分別がうまくいきません。なぜ自治体によってルールが違うのか、その背景から理解すると覚えやすくなりますよ。
レコード盤の主な素材は、ポリ塩化ビニル(塩ビ)です。塩ビは耐久性が高く、レコードの素材として非常に優れていますが、ごみとして処分する際には少し注意が必要な素材です。この素材の特性が、自治体による分別の違いを生んでいます。
過去には、塩ビを低温で焼却するとダイオキシン類などの有害物質が発生する懸念がありました。そのため、多くの自治体では安全を期して「不燃ごみ」として埋め立て処分を行っていました。しかし、環境省の報告にもあるように、現在の多くの清掃工場では800℃以上の高温で焼却することで、ダイオキシン類の発生を抑制し、安全に処理することが可能になっています。
この技術の進歩により、高性能な焼却炉を持つ自治体では「可燃ごみ」として収集し、熱エネルギーとして回収(サーマルリサイクル)する方針に転換しています。一方で、埋め立て処分場に余裕がある、あるいは焼却施設の仕様などから、従来通り「不燃ごみ」として扱う自治体もまだ多く存在します。
結論として、ご自身の判断で「燃えそうだから」と安易に可燃ごみに出すのは絶対に避けてください。必ず、お住まいの自治体がどちらの方針を採用しているかを確認することが、適切な処分の第一歩となります。
自己判断はNG!必ず自治体のルールを確認
レコード盤の分別は、自治体の焼却施設の性能やごみ処理計画に直結するデリケートな問題です。「プラスチックだから可燃だろう」といった自己判断は、収集されないだけでなく、地域のごみ処理システムに混乱を招く原因にもなります。必ず、お住まいの地域の公式な情報を確認してから処分しましょう。
lp盤、針、プレーヤーの出し方
レコード盤本体だけでなく、音楽を楽しむために必要だった関連アイテムの処分方法も知っておく必要があります。特に精密部品である針や、家電製品であるプレーヤーは、それぞれ適切な捨て方が求められます。
レコードの溝と盤本体
レコードが割れていたり、大きく欠けていたりする場合でも、基本的な分別方法は変わりません。ただし、破片は鋭利で危険な場合があります。ごみ袋が破れるのを防ぎ、収集作業員の方の安全を守るためにも、割れたレコードは新聞紙や厚紙でしっかりと包み、袋の中心に入れるなどの配慮をすると、より丁寧です。その際、袋に「ワレモノキケン」と表示しておくと親切です。
レコード針(カートリッジ)の処分
レコード針は非常に小さく鋭利なため、処分の際には最大限の安全への配慮が不可欠です。そのまま他のごみと一緒に袋に入れてしまうと、袋を突き破ったり、収集や分別の過程で作業員の方が指を刺してしまったりする重大な事故に繋がる可能性があります。
【針の安全な捨て方・完全版】
1. 針をカートリッジから慎重に取り外します。
2. 購入時に入っていたプラスチックケースがあれば、それに戻すのが最も安全です。
3. ケースがない場合は、ペットボトルのキャップの中に入れ、テープで蓋をする、あるいは小さな箱や厚紙で厳重に包み、中身が出ないようにガムテープで固定します。
4. ごみ袋の外側から見えるように、マジックなどで「キケン」や「針あり」とハッキリ明記します。
5. 自治体の指定に従い、「不燃ごみ」や「危険ごみ」として、他のごみとは少し分けて袋に入れるとより安全です。
このように、一手間を惜しまないことが、思わぬ事故を防ぐことに繋がります。
レコードプレーヤーの処分
レコードプレーヤーは家電製品であるため、廃棄する際は法律に基づいた適切な方法を選ぶ必要があります。処分の方法は主に以下の3つが考えられます。
1. 粗大ごみとして出す
最も一般的な方法です。多くの自治体では、一辺の長さが30cm(または50cm)を超える家電製品を粗大ごみとして定義しています。手続きは以下の通りです。
- 自治体の「粗大ごみ受付センター」に電話またはインターネットで申し込む。
- 処分するプレーヤーの品目、サイズを伝え、手数料と収集日、収集場所を確認する。
- コンビニなどで手数料分の「粗大ごみ処理券(シール)」を購入し、プレーヤーに貼り付ける。
- 指定された収集日の朝、指定の場所に出す。
2. 小型家電リサイクル
レコードプレーヤーは「小型家電リサイクル法」の対象品目です。この法律は、家電製品に含まれる貴重な金属資源を再利用することを目的としています。
自治体によって回収方法が異なりますが、主に以下の方法があります。
- ボックス回収:市役所や公民館、スーパー、家電量販店などに設置された回収ボックスに投入する方法。投入口(例:30cm×15cm)に入るサイズに限られます。
- ステーション回収:ごみ集積所で特定の日に回収する方法。
- イベント回収:期間限定で開催されるイベントで回収する方法。
この方法は、無料で処分できる場合が多く、環境貢献にも繋がるため、サイズが合う場合は積極的に活用したい選択肢です。
3. 不用品回収業者に依頼する
「プレーヤー以外にも処分したいものがたくさんある」「重くて運び出せない」といった場合には、民間の不用品回収業者に依頼する方法もあります。
「無料回収」を謳う業者に注意!
家庭ごみを回収するには、自治体の「一般廃棄物収集運搬業」の許可が必要です。無許可の業者が回収したものが不法投棄されたり、後から高額な料金を請求されたりするトラブルが多発しています。業者を選ぶ際は、必ず自治体の許可を得ているか、会社の所在地や連絡先が明確かを確認しましょう。
燃えるごみと燃えないごみの分別
レコードに関連する様々なアイテムを「燃えるごみ(可燃ごみ)」と「燃えないごみ(不燃ごみ)」に正しく分別することは、適切な処分の基本中の基本です。
ここまでの情報を、より詳細な注意点を加えて整理すると、以下のようになります。この表を見れば、何に気をつけるべきかが一目でわかります。
品目 | 主な分別区分 | 詳細と注意点 |
---|---|---|
レコード盤 | 不燃ごみ or 可燃ごみ | 【最重要】自治体のルール確認が必須。素材はポリ塩化ビニル(塩ビ)。焼却施設の性能により分別が異なる。自己判断は絶対にしないこと。 |
紙製ジャケット | 可燃ごみ or 資源ごみ(雑がみ) | 表面にビニールが貼られているなど、リサイクルできない加工がされているものは「可燃ごみ」。純粋な紙であれば「資源ごみ」へ。汚れやカビがひどい場合も可燃ごみ。 |
内袋(ビニール製) | プラスチックごみ or 可燃ごみ | 「容器包装リサイクル法」の対象(容器包装プラ)と解釈するか、商品の一部(その他プラ・可燃ごみ)と解釈するかで自治体により分別が異なる。 |
レコード針 | 不燃ごみ or 危険ごみ | 【安全注意】必ず鋭利な部分を厚紙などで厳重に包むこと。「キケン」と明記し、収集作業員の安全に最大限配慮する。 |
歌詞カード・帯 | 可燃ごみ or 資源ごみ(雑がみ) | ジャケットと同様、純粋な紙であれば「資源ごみ」。汚れている場合は「可燃ごみ」として出す。 |
言ってしまえば、最も判断が分かれるのがレコード盤本体とビニール製の內袋です。特に內袋は、商品を入れる「容器」なのか、商品そのものの「一部」なのかという法律の解釈に近い部分で自治体の判断が分かれています。私たちはその判断に従うしかありません。
このため、繰り返しになりますが、ご自身の住む地域のルールを確認する作業が、何よりも大切かつ確実な方法なのです。
ジャケットはプラごみ?取り出し方に注意

レコードの世界:イメージ
レコードの顔とも言えるジャケット(外側の厚紙のカバー)は、主に紙でできています。そのため、プラスチックごみではなく、基本的には「可燃ごみ」またはリサイクル可能な「資源ごみ(雑がみ)」として処分するのが正解です。
ただし、適切にリサイクルするためには、いくつか押さえておきたい注意点があります。
ビニールコーティングや汚れの確認
古いレコードジャケットには、光沢を出したり表面を保護したりするために、薄いビニールフィルムでコーティングされているものが多くあります。このような加工が施された紙は、製紙工場でリサイクルする際に異物となってしまうため、残念ながら資源ごみには出せません。「可燃ごみ」として処分してください。
また、長年の保管でカビが生えてしまったり、ひどく汚れていたりする場合も同様に、リサイクルには不向きです。この場合も「可燃ごみ」として出しましょう。
「雑がみ」として資源に出す際のポイント
コーティングがなく綺麗な状態の紙ジャケットは、貴重な資源「雑がみ」としてリサイクルできます。その際は、ティッシュの箱やお菓子の空き箱などと同様に、紙袋にまとめるか、ひもで十字に縛って集積所に出してください。ビニール袋に入れると、中身が確認できず回収されない場合があるので注意が必要です。
レコードの取り出し方と内袋の分別
ジャケットからレコード盤を取り出す際、中に入っている半透明の袋(内袋)も一緒に処分することになります。この内袋はポリエチレン(PE)などのプラスチック製です。
この内袋の分別も自治体によって判断が分かれる、少し厄介なアイテムです。
- 「容器包装プラスチック」として分別する自治体:この場合、商品を保護している「包装」と見なされます。汚れを落として、ペットボトルや食品トレーとは別の「プラマーク」の袋で出します。
- 「可燃ごみ」または「その他プラスチック」として分別する自治体:この場合、レコードという商品そのものの「一部」と見なされます。自治体の指示に従い、燃えるごみなどに出します。
このように、ジャケット、内袋、レコード盤は、それぞれが異なる素材であり、異なる分別ルールが適用される可能性があります。面倒でも、一つひとつを適切に分別してから捨ててください。
大量のレコードは粗大ごみになる?

レコードの世界:イメージ
コレクションの整理や引っ越しなどで、「レコードを数十枚、数百枚単位でまとめて処分したい」というケースもあるでしょう。このような場合、通常の家庭ごみとして、一度に集積所に出してしまって良いのでしょうか。
結論から言うと、一度に大量のレコードをごみ集積所に出すことは、多くの自治体でルール違反と見なされる可能性が高いです。
多くの自治体では、「一度の収集で45Lの袋で3〜4袋以上出す場合」や、引っ越しなどで一時的に出る多量のごみを「一時多量ごみ」と定義し、通常の無料収集の対象外としています。これは、特定の人だけが大量のごみを出すことで、ごみ収集の公平性が損なわれたり、収集作業に支障が出たりするのを防ぐためです。
大量処分の場合の具体的な対処法
もし大量のレコードを処分する必要がある場合は、ご自身の状況に合わせて、以下のような対応を計画的に行ってください。
状況に合わせた3つの選択肢
1.【手間をかけずに少しずつ】分けて出す
処分を急がない場合、最も簡単な方法は、数枚ずつ何回かの収集日に分けて家庭ごみとして出すことです。例えば、収集日1回につき2〜3枚ずつなど、他の家庭ごみと合わせて常識の範囲で処分しましょう。時間はかかりますが、追加の費用はかかりません。
2.【費用を抑えて一気に】自治体の処理施設に自己搬入する
車など運搬手段があれば、自治体が運営するクリーンセンターやごみ処理施設に直接持ち込むことができます。多くの施設では事前予約が必要で、料金は「10kgあたり〇〇円」といった重量制が一般的です。費用を抑えつつ、一度にまとめて処分したい場合に最適な方法です。
3.【手間をかけずに一気に】不用品回収業者に依頼する
費用はかかりますが、自宅まで回収に来てくれるため、運び出しの手間が一切かかりません。レコード以外にも処分したい家具や家電がある場合に特に便利です。ただし、前述の通り、必ず自治体の許可を得た信頼できる業者を選ぶようにしてください。
大量のレコードはかなりの重量になります。LPレコード1枚が約180gとすると、100枚で18kgにもなります。運び出しの際の怪我(特にぎっくり腰など)にも十分注意し、ご自身の状況に合った最適な方法を選びましょう。
自治体別のレコード ゴミのルール
- 東京23区(世田谷区・杉並区・大田区など)
- 横浜市・川崎市など関東の市の処分
- 大阪市・神戸市・名古屋市・福岡市の例
- 札幌・広島・岡山市の取り扱い
- レコード大賞やゲーム盤(マギア、ブロスタ)
- 人間として正しいレコード ゴミの処分知識
東京23区(世田谷区・杉並区・大田区など)
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レコードの世界:イメージ
東京都の特別区(23区)では、ごみの分別ルールがある程度統一されています。レコード盤(塩化ビニル製品)の扱いについて、その背景と共に詳しく見ていきましょう。
東京23区は比較的分かりやすく、多くの区で同じルールが適用されています。これは、23区のごみ処理が「東京二十三区清掃一部事務組合」という一つの組織によって共同で行われているからなんです。
結論として、東京23区の多くではレコード盤を「可燃ごみ」として収集しています。これは、組合が管理する清掃工場の多くが、ダイオキシン類の発生を抑制できる800℃以上の高温焼却能力を持っているためです。これにより、塩化ビニルを安全に燃焼させ、その熱を発電などに利用することが可能になっています。(参照:東京二十三区清掃一部事務組合「清掃工場と設備」)
実際に、各区の公式サイトで分別を確認すると、以下のようになっています。
- 世田谷区:プラスチック類は基本的に「可燃ごみ」
- 杉並区:プラスチックのみでできているものは「可燃ごみ」
- 大田区:プラスチック製品は「可燃ごみ」
- 中野区、板橋区、練馬区、足立区、豊島区など、他の多くの区でも同様に「可燃ごみ」として案内されています。
このように、東京23区内にお住まいの方であれば、レコード盤は週2回または3回の可燃ごみの日に出すことができます。これは他の多くの都市とは異なる特徴的なルールなので、23区外から引っ越してきた方や、逆に23区外へ引っ越す方は、ルールの違いに特に注意が必要です。
横浜市・川崎市など関東の市の処分

レコードの世界:イメージ
関東地方の主要な政令指定都市では、どのようなルールになっているのでしょうか。ここでは東京23区以外の主要都市の例を見ていきます。これらの都市では、それぞれが独自の清掃工場とごみ処理計画を持っているため、ルールも多様です。
東京23区とは異なり、レコード盤を「燃えないごみ」として扱う自治体と、「燃やすごみ」として扱う自治体が混在しているのが特徴です。
自治体名 | レコード盤の分別 | 備考・背景 |
---|---|---|
横浜市 | 燃やすごみ | 「ヨコハマG30プラン」以来、ごみの焼却によるエネルギー回収を推進。プラスチック製品は「燃やすごみ」。 |
川崎市 | 普通ごみ | プラスチック製品は「普通ごみ(可燃ごみ)」に分類。分別が比較的シンプル。 |
相模原市 | 一般ごみ(燃えるごみ) | プラスチック類は基本的に「一般ごみ」として週2回収集。 |
千葉市 | 不燃ごみ | 【要注意】プラスチック製のレコードは「不燃ごみ」。関東の主要都市では珍しい分別なので注意が必要。 |
さいたま市 | 燃えるごみ | プラスチック製品(容器包装以外)は「燃えるごみ」に分類される。 |
松戸市・柏市 | 燃やせるごみ | プラスチック類は「燃やせるごみ」として収集。 |
情報は必ず最新のものを!
上記の表は各自治体の公式情報を基に作成していますが、ごみ処理の方針変更は数年単位で行われることがあります。特に市町村合併などを経た自治体では、旧地域によってルールが異なる場合もあります。処分する時点での最新の情報を、必ず自治体のホームページやごみ分別辞典でご確認ください。
このように、隣接する市であっても分別方法が全く異なるケースがあります。特に、千葉市のように「不燃ごみ」に指定している都市もあるため、「関東だから大体同じだろう」と考えるのは非常に危険です。
大阪市・神戸市・名古屋市・福岡市の例

レコードの世界:イメージ
続いて、関東以外の主要都市におけるレコードの処分ルールを見ていきましょう。これらの大都市でも、それぞれの歴史的背景や地理的条件から、分別方法はさまざまです。
西日本や中部の主要都市でも、可燃ごみとして扱える地域が多い傾向にあります。ただし、福岡市のように指定ごみ袋が必要な場合もあるので、細かなルールも要チェックです。
各都市の公式情報に基づくと、以下のように分類されることが一般的です。
自治体名 | レコード盤の分別 | 備考・特徴 |
---|---|---|
大阪市 | 普通ごみ | プラスチック製品は週2回の「普通ごみ」で収集。分別は比較的シンプル。 |
神戸市 | 燃えるごみ | プラスチック製品は「燃えるごみ」に分類。指定袋は45Lまで。 |
名古屋市 | 可燃ごみ | プラスチック製品は「可燃ごみ」。指定袋で出す必要がある。 |
福岡市 | 燃えるごみ | 【指定袋必須】プラスチック製品は指定の「燃えるごみ」袋で出す。袋代にごみ処理手数料が含まれる。 |
これらの主要都市では、比較的「可燃ごみ」として扱われる傾向にあります。これも全国的な焼却施設の性能向上や、埋め立て処分場の延命化といった背景があると考えられます。ただし、これはあくまでレコード盤本体の話であり、プレーヤー(粗大ごみ)や針(不燃ごみ・危険ごみ)は別途適切な分別が必要であることに変わりはありません。
札幌・広島・岡山市の取り扱い

レコードの世界:イメージ
さらに他の主要都市の例として、札幌市、広島市、岡山市のルールも確認しておきましょう。これらの都市では、これまでの例ともまた異なる、地域独自の分別ルールが採用されている場合があります。
自治体名 | レコード盤の分別 | 備考・特徴 |
---|---|---|
札幌市 | 燃やせるごみ | プラスチック製のものは「燃やせるごみ」の対象。指定のごみ袋で出す。 |
広島市 | その他プラ | 【要注意】「容器包装プラ」とは別の「その他プラスチック製のもの」として週1回収集。資源化を目的とした独自の分別。 |
岡山市 | 可燃ごみ | プラスチック製品は「可燃ごみ」として収集。 |
特に広島市の「その他プラ」という分別区分は、全国的に見ても特徴的です。これは、ペットボトルや食品トレーといった商品を包んでいた「容器包装プラスチック」とは別に、製品そのものがプラスチックでできているもの(バケツ、おもちゃ、CD、レコードなど)を「その他プラ」として分けて回収し、資源として再利用しようという先進的な取り組みです。
このように、自治体ごとの環境への取り組みや考え方によって、ごみの分別方法はより細分化・最適化されています。自分の住む街がどのような考えで分別を行っているのかを知ることも、ごみ問題を理解する上で非常に重要です。やはり、処分前の公式情報確認は、ルールを守るためだけでなく、地域の取り組みを知る上でも欠かせないと言えるでしょう。
レコード大賞やゲーム盤(マギア、ブロスタ)
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レコードの世界:イメージ
棚の奥から出てきた「日本レコード大賞を受賞した記念のレコード」や、「マギアレコード」「ブロスタ」といった人気ゲームのサウンドトラック盤、あるいは「ストライカー」や「ニューセンチュリー」といった懐かしいアニメのレコードなど、個人的な思い入れのあるレコードの処分に悩む方もいるかもしれません。
まず、ごみとして処分する場合の基本的なルールは、どんなレコードであっても、これまで説明してきた通常のレコード盤と全く同じです。材質が金やプラチナでできているわけではないため、自治体のルールに従って分別してください。
捨てるのは最後の手段!「売却」という選択肢を最大限に活用しよう
ただし、これらのレコードは単なる「ごみ」ではなく、「資産」である可能性を秘めています。特に、限定生産盤、人気ゲームのサントラ、廃盤となったアーティストのレコードは、中古市場でコレクターやファンが高値で探しているかもしれません。
処分を決める前に、一度以下の方法でその価値を確認してみることを強くおすすめします。
- レコード買取専門店に査定を依頼する:専門のスタッフが価値を判断してくれます。出張買取や宅配買取を利用すれば、家にいながら査定してもらうことも可能です。
- フリマアプリやネットオークションで相場を調べる:同じレコードがいくらで取引されているか確認できます。自分で出品する手間はかかりますが、専門店より高く売れる可能性もあります。
思わぬ臨時収入になる可能性もありますし、何より、そのレコードを大切にしてくれる次の世代のファンに引き継ぐことができます。ごみとして捨ててしまうのは、これらの価値がないことを確認してからでも決して遅くはありません。
人間として正しいレコード ゴミの処分知識

レコードの世界:イメージ
ここまで、レコードの物理的な分別方法から自治体別のルールまで、具体的な処分方法について解説してきました。最後に、これらの知識を実践することの社会的な重要性について触れておきたいと思います。
ごみの分別ルールは、単なる「決まり事」ではありません。私たちが暮らす社会の環境を維持し、限りある資源を有効活用し、そしてごみ処理という社会インフラを円滑に機能させるための、私たち一人ひとりが参加する大切なプロジェクトです。一人の人間として、このルールを理解し守ることは、地域社会の一員としての基本的な責務と言えるでしょう。
例えば、ビジネスの世界でSalesforceのような高度な顧客管理ツールを使って情報を整理し、業務を効率化するように、私たちも「ごみの分別ルール」という情報を正しくインプットし、日々の生活の中で正確にアウトプット(実行)することが求められます。
不法投棄が法律(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)で厳しく罰せられることはもちろんですが、「一つくらい大丈夫だろう」という軽い気持ちでのルール違反の積み重ねが、環境への負荷を増大させ、ごみ収集に関わる人々への余計な負担を強いることに繋がります。この記事で得た知識を元に、ぜひ責任あるスマートな行動を心がけてください。
この記事の最終チェックポイント
- レコードの分別は自治体によってルールが全く異なることを理解したか?
- 処分前には必ずお住まいの自治体の公式情報を確認する必要性を認識したか?
- レコード盤だけでなく、ジャケット、針、プレーヤーもそれぞれ正しく分別できるか?
- 大量に処分する場合は、一度に出さずに計画的に行う必要があることを理解したか?
- 捨てる前に、買取サービスなどを利用してそのレコードの本当の価値を確認する、という選択肢を持てたか?
正しい知識を持つことが、環境にも、社会にも、そして場合によっては自分のお財布にも優しい、最もスマートなレコードの処分方法なのです。
正しい知識でレコード ゴミの処分を
- レコード ゴミの処分は自治体のルール確認が第一歩
- レコード盤の素材は塩化ビニルで自治体により分別が異なる
- 東京23区では可燃ごみ、他の多くの市では不燃ごみの場合が多い
- レコード針は危険ごみとして安全に配慮して捨てる
- プレーヤーは粗大ごみか小型家電リサイクルで処分する
- 紙ジャケットは可燃ごみか資源ごみ
- ビニール製の內袋はプラごみか可燃ごみ
- 大量のレコードは一度に捨てず分割するか自己搬入を検討する
- 分別に迷ったら自治体のウェブサイトやアプリで確認する
- 処分する前に買取専門店やフリマアプリで価値を調べる
- 記念盤やゲームのサントラ盤も処分の基本ルールは同じ
- 正しい分別は環境負荷の軽減と資源の有効活用に繋がる
- 不適切な処分は収集作業員の負担増や事故の原因になる可能性がある
- ルールを守ることは社会の一員としての責任である
- 得た知識を正しく活用し適切にレコードを処分する