レコードのEP盤とは?LPやシングルとの違いを初心者向けに解説

初心者向けレコード epの基本知識

レコードの世界に足を踏み入れると、LPやシングルといった言葉と並んで「EP」という単語を目にすることがあります。この記事では、初心者向けレコード epの基本知識として、まずはレコード ep とは何かを知るところから始め、シングル盤とEP盤の明確な違いや、spレコードとlpレコードの違いを解説します。歴史を遡り、そもそもspレコードとはどんなものだったのか、そして歴史でわかるepとspの関係性にも触れていきます。さらに、様々なレコード epの楽しみ方と知識を深めるため、知っておきたいレコードの種類の一覧、EP盤に似ているコンパクト版とは何か、レコードを聴くにはどうすればいいかという基本的な聴き方まで網羅しました。高音質な12インチシングルの魅力や、意外と知られていないデジタル時代におけるEPの役割についても掘り下げていきます。この記事を読み終える頃には、まとめとしてレコード epの魅力を再発見できるはずです。

  • EPレコードの基本的な定義がわかる
  • 他のレコード盤との違いが明確になる
  • 様々なレコードの種類と特徴を学べる
  • 現代におけるEPの価値と楽しみ方が見つかる

目次

初心者向けレコード epの基本知識

    • まずはレコード ep とは何かを知ろう
    • シングル盤とEP盤の明確な違い

– spレコード lpレコード 違いを解説

  • そもそもspレコードとはどんなもの?
  • 歴史でわかるep spの関係性

 

まずはレコード ep とは何かを知ろう

まずはレコード ep とは何かを知ろう

レコードの世界:イメージ

レコードのEPとは、「Extended Play(エクステンデッド・プレイ)」という言葉の略称です。その名の通り「延長された再生時間」を意味し、一般的なシングルレコードよりも多くの曲を収録できる規格として、音楽ファンのニーズに応える形で誕生しました。
具体的な物理的特徴としては、直径が7インチ(約17cm)で、毎分45回転(45RPM)で再生するのが最も標準的な仕様です。このサイズ感と回転数は、後述するシングル盤と共通しています。

EP盤が持つ最大の特徴は、フルアルバム(LP)を聴き通すほどの時間は無いけれど、シングル盤の1〜2曲だけでは物足りない、という絶妙なリスニング体験を提供してくれる点にあります。通常、片面に2曲程度、両面で合計3〜4曲が収録されることが多く、アーティストの代表曲をまとめたダイジェスト盤や、アルバムからの先行カット、あるいは複数のアーティストの曲を集めたコンピレーション盤など、「ミニアルバム」のような多彩な役割を担ってきました。中心にある大きな穴はジュークボックスでの使用を想定して設計された名残であり、そのユニークな見た目から「ドーナツ盤」という愛称で今もなお広く親しまれています。

EP盤の基本スペックと特徴

  • 正式名称:Extended Play(エクステンデッド・プレイ)
  • サイズ:直径7インチ(約17cm)
  • 回転数:主に45回転/分(45RPM)※一部33回転も存在
  • 収録曲数:片面に2〜3曲、両面で4曲程度が一般的
  • 用途:シングルカット、ミニアルバム、ダイジェスト盤など
  • 愛称:ドーナツ盤

シングル盤とEP盤の明確な違い

シングル盤とEP盤の明確な違い

レコードの世界:イメージ

シングル盤とEP盤は、どちらも同じ7インチサイズで見た目がよく似ているため、初心者の方が混同しやすいポイントです。しかし、その核心的な違いは「収録時間とそれを可能にする技術」にあります。
シングル盤は、主にラジオ放送でのオンエアやヒットチャートを意識した「1曲」をプロモーションするために作られました。そのため、A面にメインの曲、B面にカップリング曲という構成が基本で、片面の収録時間は長くても5分程度が限界とされていました。

一方、EP盤は「バリアブル・ピッチ・グルーヴ」という革新的な技術を用いることで、シングル盤以上の収録時間を実現したのです。これは、レコードの音溝(グルーヴ)をカッティング(刻み込む)する際に、音量が小さい無音に近い部分では溝の間隔を狭く、逆に音量が大きい部分では隣の溝に干渉しないよう間隔を広く、と動的に変化させる技術です。これにより、限られた盤面スペースを無駄なく活用し、効率的に多くの情報を記録することが可能になりました。この技術革新があったからこそ、EP盤は片面に5分以上、長いものでは8分〜10分程度の収録が可能となり、アルバムからの抜粋や複数の楽曲を1枚にまとめるという独自の価値を生み出したのです。

簡単に言えば、同じ7インチの「ドーナツ盤」でも、「1曲を売る」のが主目的のシングル盤に対し、「複数の曲を手軽に楽しんでもらう」のが目的のEP盤、と考えるとコンセプトの違いが分かりやすいですね。価格と収録曲数のバランスが良いのもEP盤の魅力でした。

spレコード lpレコード 違いを解説

spレコード lpレコード 違いを解説

レコードの世界:イメージ

レコードの豊かな歴史を語る上で、EP盤が登場する以前の「SPレコード」と、その後にアナログメディアの王座に君臨した「LPレコード」の存在は欠かせません。この二つのフォーマットの違いを理解することは、レコードの世界観をより深く知るための重要な鍵となります。主な違いは、材質、回転数、耐久性、そして収録時間という複数の要素に及びます。

SPレコードは耐久性に乏しく、少しの衝撃で割れてしまうという大きな欠点がありましたが、LPレコードは丈夫で軽いポリ塩化ビニール(Vinyl)を採用したことで、音質と利便性を飛躍的に向上させました。この素材革命こそが長時間再生を可能にし、今日私たちが親しんでいる「アルバム」という音楽文化の礎を築いたのです。

項目 SPレコード (Standard Play) LPレコード (Long Play)
主な材質 シェラック(ラックカイガラムシの分泌物から作られる天然樹脂) ポリ塩化ビニール(ヴァイナル)
サイズ 主に10インチ(約25cm) / 12インチ(約30cm) 主に12インチ(約30cm) / 10インチ(約25cm)
回転数 78回転/分 (78RPM) 33 1/3回転/分 (33RPM)
片面の収録時間 約3分〜5分 約20分〜30分
耐久性 非常に脆く、落下などの衝撃で容易に割れる しなやかで弾力性があり、丈夫で長持ちする
再生針 鉄針や竹針など、太く専用の針が必要 ダイヤモンド針やサファイア針など、微細な針を使用

SP盤再生に関する重要な注意点

前述の通り、SPレコードはLPやEPとは全く異なる規格です。そのため、現代の一般的なレコードプレーヤーで再生しようとすると、細すぎるLP用の針が太いSP盤の溝の底をこすってしまい、レコード盤と針の両方に修復不可能なダメージを与えてしまう危険性があります。SP盤を聴くためには、必ず78回転に対応したプレーヤーと、SP盤専用のカートリッジ(レコード針)をご用意ください。

そもそもspレコードとはどんなもの?

そもそもspレコードとはどんなもの?

レコードの世界:イメージ

SPレコードは「Standard Play(スタンダード・プレイ)」の略で、1940年代後半にLPレコードが登場するまでのおよそ半世紀にわたり、世界の音楽メディアの主流でした。その最大の特徴は、毎分78回転という、現代のレコードからすると非常に速い回転数です。この速い回転数が、短い収録時間ながらも力強いサウンドを生み出す一因となっていました。

材質は、先述の通りシェラックという天然樹脂が主成分です。これは現在のプラスチック製品であるビニール盤に比べると、陶器のように硬く、そして非常にもろい性質を持っています。そのため、うっかり床に落とせば割れてしまうことも珍しくなく、取り扱いには細心の注意が求められました。片面の収録時間が3分から5分程度と極端に短いため、例えばベートーヴェンの交響曲のような長大なクラシック曲は、何枚にもわたるSP盤をセットにした「アルバム」として販売されていたのです。これは写真のアルバムのように冊子状になっていたことから、現在の「アルバム」の語源になったと言われています。

音溝も太く、再生には鉄針や竹針といった、何度も交換することが前提の太い針が使われていました。この時代の音源は、現代のハイファイな音質とは異なる、独特の温かみと「パチパチ」というサーフェスノイズが特徴です。しかし、このノイズこそが歴史の重みを感じさせる「味」であるとして、歴史的な音源を当時の雰囲気そのままに楽しみたいというオーディオ愛好家や歴史研究家から、今もなお根強く支持されています。

歴史でわかるep spの関係性

歴史でわかるep spの関係性

レコードの世界:イメージ

レコードの歴史は、SPレコードからLPレコードへの移行期に起こった、大手レコード会社間の熾烈な「フォーマット戦争」によって大きく動きました。SPレコードは1曲あたりの収録時間が短いという、音楽文化の発展にとって大きな課題を抱えていました。この課題を抜本的に解決すべく、1948年に米コロンビア社が、クラシック音楽などの長大な作品を途切れなく楽しめる長時間再生可能なLPレコード(12インチ・33回転)を世に送り出します。

これに対し、ライバル企業であるRCAビクターは全く異なるアプローチを取りました。翌1949年、彼らはSP盤が築き上げた「好きな曲を1曲ずつ手軽に楽しむ」というポピュラー音楽文化を継承しつつ、より扱いやすく高音質で、かつコンパクトな7インチ・45回転のシングル盤を開発したのです。これが直接的なEP盤の原型となります。当初のシングル盤はSP盤同様に片面1曲収録が基本でしたが、市場のニーズが多様化するにつれ、やがて長時間収録の要望に応える形で、前述のバリアブル・ピッチ技術を応用した「Extended Play」、つまりEP盤が誕生するに至りました。

このように考えると、EP盤は、SPレコードが持っていた「手軽さ」と、LPレコードが切り拓いた「長時間収録」という、二つのフォーマットの長所を融合させる形で発展した、ハイブリッドな規格と言えるでしょう。SP時代の文化のDNAを引き継ぎながら、LP時代に開発された新しい技術を取り入れて進化したフォーマット、それがEP盤の歴史的な立ち位置なのです。


様々なレコード epの楽しみ方と知識

様々なレコード epの楽しみ方と知識

レコードの世界:イメージ

  • 知っておきたいレコード 種類の一覧
  • EP盤に似ているコンパクト版とは
  • レコードを聴くには?基本的な聴き方
  • 高音質な12インチシングルの魅力
  • デジタル時代におけるEPの役割
  • まとめ:レコード epの魅力を再発見

知っておきたいレコード 種類の一覧

知っておきたいレコード 種類の一覧

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レコードの世界は非常に奥深く、EP盤以外にも多種多様なフォーマットが存在します。それぞれの特徴や背景を知ることで、レコード店での「ディグ(宝探し)」や、自身の音楽コレクションを構築する際の楽しみが格段に広がります。ここでは、代表的なレコードの種類をその特徴とともに一覧でご紹介します。

種類 主なサイズ 主な回転数 詳細と特徴
LP盤 12インチ 33 1/3回転 「Long Play」の略。フルアルバム作品の収録に使われる最も一般的なレコード。
EP盤 7インチ 45回転 「Extended Play」の略。片面に2〜3曲収録可能なミニアルバム形式。通称ドーナツ盤。
シングル盤 7インチ 45回転 片面1曲収録が基本。A面(ヒット曲)とB面(カップリング曲)で構成。ドーナツ盤。
12インチシングル 12インチ 45回転 LPと同じサイズに1〜2曲だけを贅沢に収録。溝が広く深く刻めるため、音質・音圧ともに最高峰。
SP盤 10/12インチ 78回転 「Standard Play」の略。シェラック製で割れやすい初期のレコード。再生には専用機材が必須。
コンパクト盤 7インチ 33 1/3回転 7インチLPとも呼ばれる。EP盤より収録時間が長いが、原理的に音質は劣る傾向にある。
ソノシート 様々 様々 非常に薄いビニール製のシート状レコード。安価で大量生産が可能なため、雑誌の付録などで多用された。
ピクチャー盤 様々 様々 盤面にアーティストの写真やイラストを直接印刷、または挟み込んだ観賞用のレコード。音質は通常盤より劣る。

このように、一口に「レコード」と言っても、そのサイズや回転数、材質、そして開発された目的に応じて様々なバリエーションが存在します。それぞれの特性を深く理解し、自分の音楽スタイルや聴取環境に合ったレコードを探してみるのも、アナログならではの大きな楽しみの一つです。

EP盤に似ているコンパクト版とは

EP盤に似ているコンパクト版とは

レコードの世界:イメージ

EP盤とよく似た規格として、特に日本のレコード市場で一時期普及したのが「コンパクト盤」です。これは物理的にはEP盤と同じ7インチサイズでありながら、回転数がLP盤と同じ33 1/3回転で制作されたレコードを指します。「17cm LP」や、各社の商品名である「コンパクト7」「ヒット・パック」といった名称で販売されることもありました。

回転数を45回転から33 1/3回転に遅くすることで、同じ盤面積でも収録時間をさらに伸ばすことが可能になりました。これにより、片面で10分以上の収録が可能となり、4曲入りのヒット曲集や、アニメの主題歌と短いドラマを収録した盤など、EP盤以上にコンテンツを詰め込んだ商品として、特に若者層から人気を博しました。しかし、この「長時間収録」というメリットは、音質という大きな代償を伴うものでした。

コンパクト盤の原理的な音質的弱点

レコードは構造上、外周部よりも内周部の方が、針が移動する距離(線速度)が短くなるため、高音域の情報を正確に記録・再生するのが難しくなり、音質が劣化する特性があります。コンパクト盤は、LP盤でいえば最も音質的に不利とされる内周部分だけを、さらに遅い回転数で使っているのとほぼ同じ状態になります。このため、回転数が速く線速度を確保できる45回転のEP盤に比べて、音の鮮明さやダイナミックレンジで劣る傾向が顕著でした。

日本では1960年代から70年代にかけて、安価で多くの曲を楽しめるフォーマットとして広く普及しましたが、リスナーの音質へのこだわりが高まるにつれて、徐々にEP盤や高音質な12インチシングルにその役割を譲っていくことになりました。

レコードを聴くには?基本的な聴き方

レコードを聴くには?基本的な聴き方

レコードの世界:イメージ

お気に入りのレコードを手に入れたら、いよいよ再生です。レコードを最高の状態で楽しむためには、正しい手順と少しの知識が必要です。ここでは、特にEP盤を聴く際の基本的な手順と、レコードを長持ちさせるための注意点について解説します。

1. 回転数を正しく設定する

まず最も重要なのが、プレーヤーの回転数をレコードの規格に正しく合わせることです。多くのEP盤やシングル盤は「45回転」でカッティングされています。プレーヤーの回転数切り替えスイッチを「45」(または45RPM)に設定してください。もし間違えてLP用の「33回転」で再生すると、すべての音がスローモーションで低く再生されてしまいます。

2. ドーナツ盤用のアダプターを装着する

EP盤(ドーナツ盤)は中心の穴が大きいため、そのままではプレーヤーのセンタースピンドル(中心軸)に固定できません。そこで必須となるのが「EPアダプター(ドーナツ盤アダプター)」です。この円盤状または円錐状のアダプターを先にターンテーブルの中心に置き、その上からEP盤をぴったりとセットします。

EPアダプターはレコードプレーヤーに標準で付属していることがほとんどですが、もし紛失してしまった場合でも、オーディオショップや家電量販店、各種通販サイトで数百円程度から簡単に入手できます。

3. 針を丁寧に盤面に下ろす

回転数とアダプターの準備が整ったら、レコードの一番外側にある無音の溝(導入溝)に、プレーヤーのトーンアームをリフターを使って持ち上げ、ゆっくりと針を置きます。オートプレーヤーの場合はスタートボタンを押すだけで自動で再生が始まります。レコードの音溝は非常にデリケートなので、針の取り扱いは常に丁寧に行うことを心がけましょう。

4. レコードの取り扱いと保管

レコードを長く楽しむためには、日頃の取り扱いも重要です。盤面には直接指で触れず、必ず縁と中心のレーベル部分を持つようにしてください。聴き終わったら、内袋とジャケットに戻し、必ず垂直に立てて保管しましょう。平積みで保管すると、盤に反りが発生する原因となります。

高音質な12インチシングルの魅力

高音質な12インチシングルの魅力

レコードの世界:イメージ

最高の音質で音楽に没入したい、アーティストが意図したサウンドを余すところなく体感したい。そんな音質を追求するリスナーや、フロアを揺らすパワフルなサウンドを求めるDJから絶大な支持を受けているのが「12インチシングル」です。これは、LPアルバムと同じ直径12インチ(約30cm)の広大な盤面に、シングル盤のように1〜2曲だけを収録した、非常に贅沢な仕様のレコードです。

なぜこのフォーマットが”高音質”の代名詞なのでしょうか。その理由は、音を刻む「溝(グルーヴ)」の幅と深さ、そして間隔に物理的な余裕が生まれるからです。

片面に20分以上の音楽を詰め込む必要があるLP盤では、どうしても溝を細く浅く、そして隣接させて刻む必要があります。しかし、12インチシングルでは広大な盤面を数分の楽曲のためだけに使用できるため、溝をより広く、深く、そして隣の溝との間隔を十分に空けてカッティングすることが可能になります。これにより、物理的な制約から解放され、以下のような圧倒的な音質的メリットが生まれるのです。

12インチシングルがもたらす音質的メリット

  • 圧倒的な音圧レベルの向上:溝を深く刻めるため、より大きな振幅を記録でき、パワフルで迫力のあるサウンドが実現します。
  • 広大なダイナミックレンジ:小さな音から大きな音までの表現の幅が格段に広がり、繊細な余韻から爆発的なクレッシェンドまで忠実に再現可能です。
  • 豊かな低音域の再生能力:低音域は大きな振幅を必要とするため、溝の幅が広い12インチシングルは豊かな低音を歪みなく記録するのに最適です。
  • 優れた高音域特性とステレオセパレーション:溝の間隔に余裕があるため、左右のチャンネルの干渉が少なく、クリアで広がりのあるステレオサウンドを実現します。

これらの理由から、特に1970年代後半のディスコミュージックの隆盛と共に、クラブでのプレイを想定したリミックスや長時間バージョンを収録するフォーマットとして定着しました。通常のシングル盤やLP収録バージョンとは次元の違う、パワフルでクリアなサウンドを楽しむことができるのが、12インチシングルの最大の魅力です。

デジタル時代におけるEPの役割

CDの登場、そして音楽ストリーミングサービスが主流となった現代において、「EP」という言葉は物理的なレコードの枠を超え、新たな役割と定義を持って広く使われるようになっています。もともとレコードの規格だったEPは、現在ではデジタル音源における「シングル以上、アルバム未満」の作品群を指す、便利な言葉として定着しています。

この流れを決定づけた一因として、音楽配信サービスの影響が挙げられます。例えば、Apple Musicのスタイルガイドでは、収録曲数が4〜6曲で、合計収録時間が30分以下の作品を「EP」として明確にカテゴライズしています。このような業界標準ができたことで、アーティストはフルアルバム(LP)を制作するほどのコストや時間をかけずに、数曲単位で一貫したコンセプトを持つ作品を手軽にリリースするための、極めて有効なフォーマットとしてEPを活用するようになりました。

新人アーティストが名刺代わりに自身の多様な音楽性を提示したり、ベテランアーティストが次のフルアルバムへの期待感を高めるための布石として話題作りをしたりと、現代の音楽マーケティング戦略においてEPは非常に重要な役割を担っているのです。

一方で、アナログレコード市場そのものも、近年目覚ましい復興を遂げています。実際に、一般社団法人 日本レコード協会の発表によると、アナログディスクの生産金額は2010年代から一貫して増加傾向にあり、音楽の楽しみ方の一つとして再び確固たる地位を築いています。この流れの中で、本来のレコードEP盤も限定盤や特別仕様のジャケットでリリースされることが増え、熱心なファンにとってはコレクションアイテムとしての価値がますます高まっています。このように、EPは物理メディアとデジタルの両方の世界で、時代に合わせてその役割を柔軟に変化させながら、音楽文化の中で存在し続けているのです。

まとめ:レコード epの魅力を再発見

  • EPはExtended Playの略でシングルより長い収録時間を持つ
  • サイズは7インチで回転数は45回転が標準
  • 片面に2〜3曲収録できるためミニアルバムとして機能する
  • 見た目からドーナツ盤という愛称で親しまれている
  • シングル盤との違いは収録曲数と収録時間にある
  • EPはバリアブルピッチ技術で長時間収録を可能にした
  • SPレコードは78回転のシェラック製で割れやすい
  • LPレコードは33回転のビニール製で長時間再生が可能
  • EPはSPの手軽さとLPの長時間収録の中間的な存在として発展した
  • レコードにはLPやシングル以外にも様々な種類がある
  • コンパクト盤は7インチ33回転でEPより音質で劣る傾向
  • EP盤を聴くには45回転の設定とEPアダプターが必要
  • 12インチシングルは溝を広く深く刻めるため非常に高音質
  • 現代ではデジタル配信におけるミニアルバムをEPと呼ぶのが一般的
  • アナログとデジタルの両方でEPは重要な役割を担い続けている
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